蛸の凧大集合

2013.10.13 北海道・札幌市


                                      前夜祭会場に展示された蛸の凧

2013年10月12日、札幌市サンプラザホテルで開催された日本の凧の会秋季大会(通算125回大会)前夜祭において『蛸の凧大集合』が開催されました。大会参加者そのものは、この数回の秋季大会に比べて少ないにもかかわらず、「大集合」の参加者は増える一方です。今回は「お題」が蛸とあって赤い大きな凧が多く、展示さてた会場はひときわ賑やかなものになりました。参加者は、褒めシール(赤)を凧友の作った力作に投票、また参加者以外の野次馬シール(黄)の参加(100円・運営費に)も多数ありました。

 

 10月13日、大会当日は、雨が心配される曇り空のなかホテルを出発。小雨まじりの前田森林公園はナナカマドの赤い実がいっぱい生っていました。開会式、準備体操ののち、参加者全員で記念撮影、そして蛸の凧大集合の参加者の記念撮影を行いました。その後、一斉揚げとなったのですが、ひととき陽がさしたものの再集合の11時まえには雨が降りだしました。そのためテントや物置小屋に避難された方が多く、褒めシール(13日は緑)の投票率は低く、またシールを貼った褒めシートの回収にも手間がかかりました(一部回収できていない方もおります。会報発行までには集計したいので、一度事務局までお送りいただけますか。コピーやFAXも可(以下「褒めシート」から自作の蛸の凧の自慢と、ポイント数を紹介します。ポイントのあとの括弧内の数は野次馬シール(参考得点)の数です。括弧でコメントが書かれてあるのは、「褒めシート」が回収できず、担当世話人が書いた短評です。したがってポイントも集計が集計できていないこともあります。         

            伊地知英信


回転凧

千葉県・川上雅子

くるくると回転するところが自慢です。

11ポイント

蛸の凧

東京都・茂手木雅章

貼ればOK。素人でもOK 。飛んでもOK。

9ポイント

 

ミニ凧

東京都・須賀照夫

かわいい凧で参加していただきました。大会の準備運動の指導もご苦労さまでした


タコ入道

千葉県・川上利久

いつもの袖凧に鉢巻きをつけました。

12ポイント

川越扇凧

埼玉県・裏川一雄

凧製作に当たっては、竹を割り、下絵製作から始めたので延べ1週間ほどかかりました。大蛸「歌川国芳」の浮世絵を参考にして凧絵用に墨で下絵を作成しました。作成した下絵をもとに、扇凧用にトリミングしてにじみ防止用に裏からも墨を入れました。色入れは染料を使用しました。特に蛸の色出しに力を入れました(褒めシートに下絵も入っていました)。    10ポイント(4)

ウォーキングカイト

千葉県・春田親邦

第一回のセミ凧大集合以来、多数のウォーキングカイトで参加されています。子供たちにもお客さんにも大人気。前夜祭のテーブルの飾りにもなって人気を集めていました

2ポイント


タコの蛸

島根県・手島明雄

いぐり凧の名人が蛸凧を。強い風にも負けずよく揚がっていました

仙台のタコ

宮城県・林崎正俊

笑顔の蛸は唯一でしょうか。見事。褒めシートが回収できなかったので写真に写っているシールを勘定しました

7ポイント(4)

オクトパス桜子 

宮城県・浜弘二

アメリカのダラスの孫娘の桜ちゃんと仙台のチェリー保育園の子供たちの思いをこめて。

9ポイント(1)


たこやきローターシャクシメー

長野県・由永辰春

たこやきに見えたらしめたもの。日本(世界)初ローターシャクシメー。しかしふざけたことを言ってみても本当は東北福島はもちろん世界中がこの言葉で手をつなぎたい。「絆」。

12ポイント(4)

伊達蛸

宮城県・吉田末治 

伊達政宗の格好をした蛸。さすが仙台!

 

 OCTOPUS

宮城県・佐々木和夫

鉢巻きが凛々しいタコでした

4ポイント(2)


タコの八ちゃん

長野県・小口峰一

短足、短手ですみません(写真でなく可愛いイラストが描いてありました)。

14ポインント(11)

 

凧屋の蛸

愛知県・中村勝輔

「凧やで御座い」「凧や奴凧」暮れから正月にかけて行商や辻売りの凧屋があり、店舗を構えた際物屋として凧屋があったと『江戸東京風俗野史』に記されています。よき時代ですね。凧で生活していける時代は夢です。凧屋の障子と看板の凧をミニサイズですが作ってみました。褒めシール貼って下さーい。

23ポイント(10)

巻きいか

愛知県・中村光江

近所のたこやき屋さんの看板を巻きいかにしてみました。

13ポイント(12)


たこののりたい

大阪府・福井栄

大きな凧が多い福井さん、今回は小さな凧で参加

5ポイント(6)

 

努力蛸凧

奈良県・福本行良

新聞紙と市販の竹で作れる「蛸の凧」です。最初は新聞紙1枚で作り、次に2枚貼り合わせたもので作ってみました。大きいほうが安定して揚がります。弱風でも強風でもOKです。

13ポイント(6)

蛸の凧

広島県・木村俊夫

蛸の凧談義。Q「目が廻らないときは?」A「コップ一杯のウオッカを一気に……」Q「それは凧に?それとも?」A「そりゃ当然……」飲酒運転は厳禁デス。

13ポイント(2)


立体凧蛸

石川県・寺岡好徳

日本の凧の会会報第63号から85号までに掲載された蛸の絵を立体凧に載せました。皆さんの蛸絵を引用しました。一枚一枚手描きしました。蛸絵を引用したことをお許しください。皆さんの講評をお願い致します。「蛸大集合!」

15ポイント(12)

立体凧

石川県・寺岡紘子

墨を吐きながら皆で力を合わせて空高くあがりますように。

10ポイント(10)

いかのぼりの蛸

大阪府・木村薫

赤いキャップを頭にのせて、今日も行く行くいかのぼり。いかの色白、蛸の赤。どちらかどうかわからない。タコ唐草で今日も行く。

14ポイント(1)


蛸の凧(いか)

大阪府・木村孝子

大阪の「いか尽くし」に出てくる蛸の絵を少し足を長くして安定するように考えた。ドットと星の切り抜き技が自慢。私の好物「たこ焼き」の具が、北海の空でどのように泳いでくれるのか楽しみだ。

16ポイント(2)

蛸壷から出た鮹の凧

愛知県・研谷厚

蛸で有名な愛知県日間島。蛸壷に凧の会のシンボルマークを描きました。

24ポイント(19)

居酒屋のタコ親父の呟(つぶやき)

東京都・新戸部啓二

私は凧作りの構想を馴染んだ居酒屋で、ということが多い。今期、大会テーマが「蛸」と聴き、さっそくその日からカウンター。割り箸の小袋にペンを走らせるも、25の酎ハイが邪魔をする。タコ、タコ、と云うけどなぁ……。ありきたりの8本足ではつまらない。程なくして、いつものしたり顔の親父(マスター)が何やらわめく。「アッ、これだ、絵になるのでは!」と。わめき(点ルビ)を「口」の回転に。結構、苦労……。10月はじめ、国営記念公園で初飛行となりました。

8ポイント(4)のタコ親父の呟(つぶやき)


極楽オクトパス

鹿児島県・原田武俊

とても(極)かんたん(楽)ですよ。1、作るのが極楽(ごくらく)です。2、材料が極安(ごくやす)くできる。3、揚げるのが極楽です。

3ポイント(9

田原凧

愛知県・渡部明夫

弱風(1〜3メートル)で揚がります。蛸と挌闘の『あまちゃん』。

8ポイント

 

 

踊る蛸八

沖縄県・三本木のり子

キネテックカイトの大きな蛸凧でした。

15ポイント(12)

 


タコの凧

長野県・柳澤智恵子

お菓子を包むふろしきで作りました。はちまき、目、鼻は、好きな位置にセロテープで貼り付けて、いろいろな表情になります。子供凧作りの参考にしてください。

13ポイント(3

タコの凧

熊本県・松尾邦昭

熊本天草の干しダコを参考にしてケント紙120×90センチの紙より30センチ四方の正方形に頭の円を描き三つの角を下に貼り、無駄のない紙の使い方をしています。足8本は全部残り紙で作りました。120×90の正方形の紙を作り、1枚より12枚、4枚から12枚ずつ48枚の連凧にしました。

2ポイント(4)

まごじタコの凧

福岡県・竹内義博

北九州の伝統的な作りで「タコ」の形にしました。うなりと尻尾をつけて飛ばします。

15ポイント(6)


蛸壷

愛知県・服部安彦

三河湾に浮かぶ蛸と河豚の島、日間島の蛸をイメージして凧にしました。

19ポイント(13)

蛸の凧

東京都・伊地知英信

タコは頭足類と呼ばれる軟体動物で、頭の上に足が八本生えています。ヒョットコの口のように見えるところは排水孔(つまり肛門)で、本当の口は八本の足の中心にあります。生物学的にタコの上下を論じると足が上の姿が正しくなります。図鑑などチャンスがあったら見てください。イカもタコも足を上に図示さているはずです。そこで、さかさまに揚がる蛸の凧を作ってみました。足の構造は、八本が風でぶるぶる動くことを狙っています。しかしタコに鉢巻きをさせたいのは、世界中で日本人だけでしょうね。面白い伝統だとおもいます

13ポイント(2)



先にも触れましたように13日の大会当日は、開会式そして記念撮影までは晴れ間があったのですが、あとは小雨から本格的な降りになり、蛸の凧大集合の参加者も各自テントや物置に避難することになりました。再集合の11時には凧をもって集まることも難しい本格的な雨。褒めシートだけ回収して、閉会式のときに集計結果を発表しました。その結果、愛知県の研谷厚さん作「蛸壷から出た蛸の凧」、次点が愛知県の中村勝輔さん作「凧屋の蛸」となりました。副賞に一億円(の熨斗鱈の菓子)と千両箱(のテッシュ)が贈られました。それにしても毎回、東海のみなさんは力作です。

 

 

大雨のなか有頂天の発表。一億円を持つのが研谷さん、千両箱を重そうに持つのが中村さん。

また今回の大集合で特筆すべきことは、本大会の第35回心護杯に東京都の新戸部啓二さん作「居酒屋のタコ親父の呟(つぶや)き」が選ばれたことです。細工の見事な凧でありながら、発想の自由さと、ペーソスが実に見事。おめでとうございます。

 

写真 右が心護杯に選ばれた新戸部さんの凧。そして左は千葉県の藤﨑謹治さんの黒い蛸の凧(よく数えると脚が8本ある、そうです)。藤﨑の凧は展示会場で個人的には、いちばん目をひいた作品でした(写真・茂出木雅章)。

 

今回も大集合にご参加くださった皆様ありがとうございます。

それにしても皆さんの褒めシートの凧自慢、面白いですね。写真を見ながら是非もういちどご覧ください!